あなたのデータ、誰が引き継ぐ?OneDriveの真実

OneDriveに保存されたファイルには、写真・契約書・家族へのメッセージなど、人生の大切な記録が含まれている場合があります。

この記事では、OneDriveを利用している方や、利用を考えている方に向けて、「もし自分が亡くなったあと、そのデータはどうなるのか?」と対策方法を解説します。


■ OneDriveの役割と終活

OneDriveはMicrosoftが提供するクラウドストレージで、PC・スマートフォンから簡単にファイルを保存・共有できます。

家族写真、文書、動画などを自動バックアップできる便利なサービスですが、所有者が亡くなった場合にどうなるかまでは意識していない人が多いようです。

Microsoftの規約では、アカウントが長期間使われない場合(通常は約2年)、非アクティブアカウントとしてデータが削除される可能性があります。

つまり、ログインが止まると、あなたの大切なデータも時間とともに失われる恐れがあるのです。


□ OneDriveを使った終活の注意点

OneDriveの利点は、

  • どこからでもアクセスできる
  • 複数デバイスで自動同期
  • 高度な暗号化で安全に保存
  • 共有設定をすることで複数の人でデータを共有できる

といった点にあります。

それらの利点からエンディングノートのデジタル版として活用されることもありますが、注意点もあります。

  • 共有リンクをあらかじめ設定しておかないと、家族と共有することができない
  • スマホのパスワードなどプライベートが関わってくる情報を共有した場合、生前に見られてしまう恐れがある

■ 故人のOneDriveにアクセスするには?

OneDriveを共有していなかった場合、家族はどのようにすれば故人のOneDriveにアクセスできるのでしょうか?


① アカウント情報がわかる場合

故人の Microsoft アカウントのメールアドレスとパスワード が分かっている場合は、そのままログインして OneDrive にアクセスできます。
ログインできれば、写真や書類の確認・ダウンロードが可能です。

ただし、二段階認証が設定されている場合、故人のスマートフォンなど認証デバイスが必要です。


② アカウント情報がわからない場合

もし、メールアドレスを知っていても、パスワードや認証デバイスが不明な場合、遺族が直接アクセスすることはできません。

Microsoft の公式サポートによると、このような場合は 裁判所の命令(court order) など、正式な法的手続きが必要になります。

つまり、「故人のデータを閲覧したい」と申し出ても、本人の生前のプライバシー保護の観点から、Microsoft が即時に開示することはありません。

閲覧権を申請する場合は以下のようになります。

  1. 故人のアカウント情報(メールアドレスなど)を確認
  2. 死亡証明書や遺族・相続人であることを示す書類を準備
  3. Microsoft サポートへ問い合わせ
  4. 指定の法的書類(裁判所命令など)を提出して審査を受ける

この手続きを経ても、開示される保証はなく、Microsoft の判断により拒否されることもあります。

OneDriveには多くの利点がありますが、死後、家族がMicrosoftにデータ閲覧の申請をしても、拒否されることがあります。

③ 有償版 OneDrive(Microsoft 365契約)の場合

故人が Microsoft 365 Personal/Family などの 有料プラン に加入していた場合、契約者の口座が凍結されると課金ができなくなり、契約は自動的に「期限切れ」となります。

この場合は、表のように一定期間はアクセスは可能ですが、約6ヶ月後にはアクセスできなくなります。

状態概要データの扱い
Active(有効)通常利用中通常アクセス可
Expired(期限切れ)支払い停止直後一定期間アクセス可
Disabled(無効化)期限切れ後 約30〜90日アクセス・同期が制限、読み取り専用になる
Deleted(削除)約6か月後データが完全削除、復元不可



■ アカウント停止・削除のリスクと対策

Microsoftの利用規約によると、

  • 最後のログインから2年間操作がない場合、アカウントは非アクティブ化
  • 非アクティブ状態が続くと、OneDrive上のデータが削除される場合あり

とされています。

つまり、死後、家族がアクセスしないで放置しておくと、思い出の写真や契約書が消失してしまうおそれがあります。

OneDriveは長期で使用されないと、データが削除される可能性があります。

その対策として準備できることは、

  • OneDriveを家族と共有設定しておく
  • OneDriveへのログイン情報を家族に遺しておく
       ※この場合、どのように残すかが問題かもしれません。
  • 死後に大事な情報をわたせる終活アプリを利用する
    死後に大事をわたせるアプリ


■ まとめ

OneDriveは便利ですが、死後に自動的にデータが引き継がれるわけではありません。

放置をしておくと、故人のデータは削除される可能性があります。

それを回避するためには、生前からOneDriveの共有や、終活アプリを利用するなど準備が必要です。

あなたの思い出や大切な情報を、確実に家族へつなぐために、今日から準備を始めてみませんか?

生前からOneDriveの共有や、終活アプリの利用をするなど、思い出や大切な情報を家族につなぎませんか?