FaceBookと終活|SNSがデジタル遺品になったときの対応方法

目次
SNSは、いまや私たちの生活に欠かせない存在になりました。
その中でもFaceBookは、同級生や仕事仲間、趣味のつながりなど幅広い人々と交流できる場として多くのユーザーに利用されています。
写真や文章を投稿し、人生の記録を残しておける点でも大きな魅力です。
しかし、誰にでも必ず訪れる「死後」のことを考えると、FaceBookに残されたアカウントや投稿はどうなるのでしょうか。
家族にとっては大切な思い出である一方で、管理できなければ「デジタル遺品」としてトラブルの原因にもなりかねません。
実は、FaceBookにはユーザーが亡くなった後に家族が対応できる仕組みが整っています。
アカウントを残すのか、削除するのか。
複数の方法が用意されており、あらかじめ知っておくことで安心して利用できるのです。
本記事では、
- デジタル遺品となるSNSの実態
- FaceBookが用意している家族への対応方法
- プライベートなチャットの扱いについての安心ポイント
を整理して解説します。
1. デジタル遺品となってしまうSNS
まず考えなければならないのは、SNSがなぜ「デジタル遺品」となるのかという点です。

SNSがデジタル遺品になる理由
- 投稿や写真、動画などは、本人が亡くなってもインターネット上に残る
- アカウントがログイン状態のまま放置されると、不正アクセスや乗っ取りのリスクがある
- 家族が削除したくてもパスワードが分からない場合、対応できない
つまり、SNSは形のない財産=「デジタル遺品」となり、きちんと管理されなければ自分と家族にとって不安材料になるのです。
デジタル遺品となる具体的なパターン
- 亡くなった後に誕生日通知が流れ、友人が驚く
- 放置されたアカウントにスパムが投稿され、犯罪に利用される
- 家族が写真や思い出を残したいのにアクセスできない
こうした事例は、SNS利用者なら誰にでも起こり得ます。
2. 家族にやさしいFaceBookの仕組み

FaceBookは、デジタル遺品に対して比較的明確なルールと仕組みを用意しているSNSのひとつです。
FaceBookの基本的な考え方
- 本人の意思を尊重する
- 家族が必要な処置を行えるようにする
- プライバシーは守られる
死後に家族ができる処置の方法
- 追悼アカウントにする
名前の横に「Remembering」が表示され、友人や家族が思い出を共有できる状態になります。
本人が生前に「追悼アカウント管理人」を指定していれば、その人が限定的に管理可能です。 - アカウント削除を申請する
遺族が申請すれば完全に削除できます。
本人が生前に「死後に削除する」設定をしていれば、自動的に削除されます。 - 放置せず安全に保つ
家族が公式フォームから申請することで、確実に管理できます。
このように、FaceBookは利用者と家族双方が納得できる仕組みを用意しています。
3. 見られたくないチャットの履歴も安心

多くの人が気になるのが「Messengerのチャットは死後どうなるのか」という点でしょう。
チャットを見られる可能性
家族が本人のアカウントにログインできれば、チャットの履歴は確認できてしまいます。
ただし、FaceBookの公式対応として、追悼アカウントや削除を申請した場合、家族がMessengerの内容を見られることはありません。
また、生前に「アカウント削除」を選んでおけば、チャット履歴ごと消去されます。
秘密のメッセージ機能
Messengerには「秘密のメッセージ」機能があり、端末ごとに暗号化されます。
これは別の端末では見られないため、特にプライバシーを守りたい場合に安心です。
まとめ:FaceBookだけでは終わらないデジタル終活
FaceBookは、アカウントを残す・削除するなど複数の方法を備えており、利用者も家族も安心して対処できます。
しかし、「FaceBookの対処=デジタル遺品対策のすべて」ではありません。
日本では、むしろLINEのほうが日常的に最も使われています。
LINEは連絡手段としてだけでなく、写真や送金機能など資産性のある情報も含まれることもあり、死後の準備も、FaceBookのように整理が容易ではないため、別途検討が必要です。
さらに、スマホ本体の中には銀行アプリ、ショッピングアプリ、パスワード管理など多くの資産的要素が詰まっています。
これらをどう扱うかも「デジタル終活」に含まれる大切な課題です。

おわりに
FaceBookは、終活におけるSNSの管理方法として非常に整った仕組みを持っています。
追悼アカウントや削除申請といった選択肢があり、チャット履歴のプライバシーも守られます。
しかし、現代の「デジタル終活」はFaceBookだけでは完結しません。
LINEやスマホ内の資産、その他のSNSやクラウドサービスをどう残すか、どう削除するかを考える必要があります。
自分のためだけでなく、残った家族をデジタル遺品トラブルに巻き込まないためのデジタル終活を考えることが重要ではないでしょうか。

