iPhoneユーザーが考えるべき終活|デジタル遺品トラブルを防ぐ方法

iPhoneは私たちの生活を便利にしてくれる一方で、死後には大きなデジタル遺品トラブルを引き起こす可能性があります。
ここでは、iPhoneユーザーが考えておきたい「終活」について解説します。
1. 生活の必需品となったスマホ

スマホは、もはや連絡や娯楽のための道具ではなく、日常生活の基盤そのものになっています。
- 写真・動画・SNSの活用
- ネット銀行や証券口座などの取引
- クレジットカードの明細確認
- 電子マネーやQR決済
- 行政手続きのアプリ(マイナポータルなど)
こうして挙げてみると、スマホの中には個人情報や金融情報、さらには公的な手続きに関わるデータまで詰まっていることがわかります。
つまり、スマホを適切に引き継げないことは、残された家族の生活にも直結する問題なのです。
2. 生前は天国、死後は地獄?
セキュリティが強く、操作性も快適なiPhoneは、生きている間はまさに「天国」のような存在です。
しかし死後には、その強固なセキュリティが大きな壁となります。
特に問題となるのは、パスコードやApple IDがわからないと家族が引き継げないという点です。
Appleでは、正規の手続きを経なければ故人のiPhoneやアカウントにアクセスできません。
死亡証明書の提出なども必要であり、資産や写真が入った端末を前に「どうすることもできない」という状況に陥ることも少なくありません。
資産関連アプリや銀行の情報にアクセスできなければ、遺産分割や相続の手続きが進められないケースもあります。
まさに「生前は天国、死後は地獄」と言える状況になるのです。

3. Appleの「故人アカウント管理連絡先」機能
こうしたトラブルを防ぐために、Appleは「故人アカウント管理連絡先(Legacy Contact)」という機能を提供しています。
これは、生前に家族や信頼できる人を指定しておくことで、死亡後にその人がAppleに申請し、故人のデータにアクセスできるようになる仕組みです。

ただし、この機能には制限があります。
- Safariのブックマークから銀行サイトを開けても、キーチェーン(保存されたID・パスワード)は利用できない
- アプリに保存されたログイン情報までは引き継げない
つまり、最終的にはパスワード管理情報を別に残しておく必要があります。
とはいえ、メモに書き残すだけでは盗み見のリスクがあるため、管理方法には工夫が必要です。
また、設定したからといって安心してはいけません。
実際にそのアカウントを使うのは「何十年も先」というケースが多く、家族自身がこの機能の存在を忘れてしまう可能性があります。
死亡証明書やアカウント情報が揃わなければ利用できないため、定期的に家族と話題にしておくこと が大切です。
4. 家族が忘れても引き継げる「ロックの向こう」
「故人アカウント管理連絡先」は有効な手段ですが、家族がその存在を覚えていなければ意味がありません。
そこで注目したいのが、終活アプリ「ロックの向こう」です。
「ロックの向こう」は、ユーザーの安否を定期的に確認し、万が一の時には家族にパスワードや重要情報を安全に引き継ぐ仕組みを提供します。
- アプリを通じて安否確認が行われる
- 万一の場合、家族に自動的に情報が伝えられる
- 半年に一度、家族に確認メールが届くため「忘れていた」というリスクを減らせる
- オペレーターが家族をサポートしながら大切な情報をお渡しする

つまり、「家族が覚えていなくてもシステムが思い出させてくれる」ことが最大の安心ポイントです。
iPhoneの強固なセキュリティと、ユーザー自身の「終活意識」をつなぐ役割を果たすのが「ロックの向こう」なのです。
まとめ

iPhoneは、生活を豊かにしてくれる一方で、死後には大きなデジタル遺品トラブルを生む可能性があります。
Appleの「故人アカウント管理連絡先」を活用することは有効ですが、それだけでは安心できない人もいます。
家族が忘れてしまうリスクや、引き継げない情報があることを考えると、自分に合った方法を検討する必要があります。
「生前は天国、死後は地獄」とならないように、iPhoneユーザーは終活を真剣に考えることが大切でしょう。
安心して未来を迎えるために、今から準備を始めてみてはいかがでしょうか。
