エンディングノートの保管場所|生前に見られない残し方

「もし自分に万が一のことがあったら、大切に思っていることをきちんと伝えたい」――そう感じたことはありませんか?
エンディングノートは、そうした思いを形にするものです。
人生の終わりを意識するのは重いテーマですが、自分自身や残される人にとっての安心を準備するという意味で価値があります。
そして書いた後、意外と見落とされがちなのがどこに保管するかです。
非常に大切なポイントですが、エンディングノートはどこに保管されているのでしょうか。
以下、なぜ残すのか、実際どこに保管されているのか、問題点、生前に見られない方法などを説明します。
1.なぜエンディングノートを残すのか

エンディングノートは遺言書とは違って、法的な効力を持つものではありませんが、残された家族・友人に自分の思い・希望・重要な情報を伝えておくための非常に有用なツールです。
エンディングノートを遺す理由としては以下があります。
- 思いや希望を伝える:葬儀の形、介護・医療に関する希望、延命治療についての考え方など、言葉にしておきたいことを整理できます。
- 混乱を防ぐ:財産(預貯金、不動産、株など)、契約関係、保険、デジタル資産などがどうなっているかをまとめておくことで、死後の手続きや遺族の負担が軽くなります。
- 後悔や不安の軽減:自分自身も「やっておけばよかった」という思いを減らせますし、残される人達も「本人がどう思っていたか」を知ることで、心の整理がしやすくなります。
また、エンディングノートを書き始めた人は、終活意識が高まったと言います。
2.どこに保管している? 実態と代表的な場所

エンディングノートを書いたあと、「どこに置くか」「誰に知らせるか」が意外と迷うところです。
よく挙げられる保管場所には、以下があります(デジタルは除く)。
- 仏壇の中
- 本棚
- 食器棚の中や戸棚
- 机やサイドテーブルの引き出し
- 金庫や安全な引き出し(鍵付きのもの)
- 重要書類と一緒にまとめて保管する場所(通帳・権利証・保険証書など)
3.果たしてその保管場所で生前見られないか?
「生前、他人(家族含む)に見られたくない」「内容を知られたくない」という思いがある方にとって、保管場所の選び方は非常に重要です。
たとえば:
- 仏壇やリビングの戸棚/本棚など、家族が普通に探す場所に保管すると、生前に内容を見られてしまう可能性があります。
- 引き出しや金庫にしまってあっても、金庫の鍵を共有していたり、鍵が簡単に見つかる場所に置いてあれば、結局内容を見られるリスクがあります。

つまり、生前に見られたくない人は、エンディングノートを書いたから安心というわけではなく、見られない場所を探すのも重要となります。
しかし、見つかりにくい場所の場合、死後、見つけてもらえなかったら書いた意味がありません。
生前に見られない場所で、死後に見つけてもらえる場所・・・・なかなか難しい条件です。
4.エンディングノートを生前に見られない方法
そこで、生前には内容を見せたくないけれども、死後に見てほしい、という希望に有効な方法があります。
そのひとつが、デジタルな終活用アプリの利用です。
終活アプリ『ロックの向こう』が最近注目されています。
『ロックの向こう』はスマホ/デジタル資産、特にパスワード情報を安全に残すことができるアプリで、アプリで安否確認がとれなくなると、必要な人に引き継ぎます。
また、オペレーターのサポートのもと、家族は大切な情報を受け取ることができます。

これであれば、エンディングノートの隠し場所を書いておけば、死後にみつけてもらうことができます。
まとめ
エンディングノートは、書いた内容が適切に伝わること、必要なときに見つけてもらえることが最も大切です。
そのためには、
- 自分の思いや希望、財産・契約・医療などの情報をあらかじめまとめておくこと
- 保管場所を慎重に選び、生前・死後どちらの立場からも見つけやすさとプライバシーのバランスを取ること
- デジタル保存または終活アプリなどを活用することで、生前見られたくないが死後にはきちんと見られるような仕組みを持つこと
といった3つのポイントが鍵になります。
もし、「保管場所が不安」「見られたくないけど伝えたいことがある」という思いがあれば、アプリの活用も選択肢のひとつとして考えてみてください。
少しの費用で、心の安心がずっと大きくなります。

