死後にデジタル遺品を見られたくない?トラブルを防ぐ整理と削除の方法

私たちの生活はスマホやパソコンの中にギュッと詰まっています。

日記代わりのSNSや趣味で集めた画像、ネットショッピングの履歴や検索の足跡。

便利さと引き換えに、プライベートな情報がすべて「デジタル遺品」として残る時代です。

しかし、もし自分に何かあったときに、その中身を家族に見られたくないと思う人も少なくありません。
「自分の趣味や日常を知られたくない」
「過去のやりとりを覗かれるのは恥ずかしい」
そう感じるのは自然なことで、プライバシーを尊重したい気持ちは誰にでもあります。

ですが、だからといって家族に知らせないままで大丈夫なのでしょうか。

この記事では「デジタル遺品を見られたくない」という気持ちの理由、そして残さなかった場合のリスクや対策について解説します。

1. なぜデジタル遺品を見られたくないのか

人がデジタル遺品を「見られたくない」と思う理由には、さまざまなものがあります。

  • プライベートな写真や動画:旅行や趣味の写真・動画には思い出にとっておきたいが、家族に見せられないものもある
  • SNSやメールのやりとり:親しい友人との会話や、過去の恋愛の記録など、家族に知られたくないものがある
  • 検索履歴や購買履歴:家族にオープンにしていない趣味嗜好などがバレてしまう

実際にセキュリティ企業の調査によれば、「自分が亡くなったあとにデジタルデータを家族に見られたくない」と回答した人は40代~60代を中心に約4割に上るとされています。

多くの人が「死後にプライバシーを侵害されたくない」という思いを抱えているのです。

2. デジタル遺品を遺さないとどうなる?

見られたくないからといって、すべてのデジタル遺品を残さず削除してしまうとどうなるでしょうか。

実は「デジタル遺品が残らないこと」によるトラブルも少なくありません。

国民生活センターには以下のような相談が寄せられています。

  • オンライン銀行や証券口座が使えず、遺産分割が進まない
  • インターネットサービス・アプリの利用状況がわからず、さまざまな手続きができない
  • サブスクリプションの解約ができず、料金が引き落とされ続ける

つまり「見られたくないから消す」ことが、家族に大きな負担をかけてしまうケースもあるのです。

3. デジタル遺品の仕分け

大切なのは「消すべきもの」と「残すべきもの」を仕分けることです。

削除してよいデジタル遺品

  • 個人的な日記や写真(家族に公開する必要がないもの)
  • 趣味で保存していたファイル
  • SNSの下書きや閲覧履歴など完全にプライベートなもの

削除してはいけないデジタル遺品

  • 銀行や証券のアカウント情報(相続に必須)
  • クレジットカードやサブスク契約の記録(解約や清算が必要)
  • 不動産や保険契約に関するメールやPDF

このように仕分けを意識することで「自分のプライバシーを守りつつ、家族が困らないようにする」ことが鮮明になってきます。

4. 共有したくないデジタル遺品を削除する方法

「見られたくないデジタル遺品」を整理・削除する方法はいくつかあります。

I. 生前に削除する(手動で整理)

遺したくないデジタル情報を定期的に自分で削除します。
メリット:削除したい情報を確実に消せる
デメリット:削除作業が面倒

II. 削除アプリを利用する

一定期間すぎると指定の情報を自動的に削除してくれるアプリです。
メリット:自動で削除されるので楽
デメリット:不具合で動作しない可能性があるため定期確認が必要

III. 「ロックの向こう」を利用する

当社が提供するサービスで、パスワードなど大切な情報を分割してセキュアに保管し、死後に家族へ届けます。
メリット:共有するものだけを残すことができ、オペレーターが家族をサポートしながら大切な情報をお渡しする
デメリット:アプリで定期的な安否確認が必要

まとめ

「デジタル遺品を見られたくない」という気持ちは自然なことです。

しかし、すべてを削除してしまうと、家族が大切な情報にアクセスできず困ってしまう可能性があります。

大切なのは「何を残し、何を消すか」を意識して仕分けを行うこと。

そして、プライバシーと家族への思いやりを両立させるために、今から準備を始めることが重要です。