死後にLINEを見られたくない人へ:知っておくべきリスクと対策

今や、日常生活に欠かせないコミュニケーションツールとなった「LINE」。

総務省の調査によると、国内のスマホ利用者の約80%が日常的に使っており、20代からシニア層まで幅広い世代に普及しています。

通話・メッセージ・無料スタンプ・グループトークなどが“無料”で使える手軽さが魅力で、メールよりも気軽にやり取りできるため、内密な会話に使われることも多いでしょう。

その一方で、チャット形式の履歴は死後に家族へ渡る可能性があり、「見られたくない」という不安を抱く人も少なくありません。

この記事では、死後にLINEを見られたくない人が知っておくべきポイントと対策をまとめます。

1. LINEのアカウントは「一身専属性」

LINEアカウントは「一身専属性」、つまり本人専用のもので、他人に譲渡や継続をさせる仕組みはありません。

この性質を利用すれば、「見られたくない」トークを守ることが可能です。

具体的には、スマホのパスワードを誰にも教えなければ、死後にスマホが家族の手に渡ってもLINEを開かれることはありません。

2. パスワードを教えないと起きる問題

スマホのロックを維持したままにすると、確かにLINEを見られる心配はなくなります。

しかし同時に、家族がさまざまな手続きで困ることになります。

① 資産や契約の引き継ぎができない

  • ネット銀行・証券・電子マネーやポイントアプリの残高確認や資産移転ができない
  • スマホに保存されたクレジットカード情報が取り出せず、整理や停止が困難になる

② 定期契約やサブスクが解除できない

  • 動画配信や音楽などのサブスクが課金され続ける
  • 会員情報にアクセスできないため、退会手続きができない

③ 各種手続きや連絡が滞る

  • 連絡先にアクセスできず、葬儀に必要な友人や関係者への連絡ができない
  • 携帯契約の解約や名義変更がスムーズに進まない

④ 業者への依頼が必要になる可能性

  • 専門業者に依頼してロック解除を試みるしかない
  • ただし100%解除できる保証はなく、費用は数十万円に及ぶこともある
  • 成功報酬制ではないため、解除できなくても料金が発生する

3. 死後にLINEを見られないようにする方法

家族に見られたくないLINEがある場合、次のような対策が考えられます。

A. スマホのパスワードを教えない

パスコードを誰にも伝えなければ、LINEは開けません。

ただし資産や契約の引き継ぎもできなくなるため、リスクが大きい方法です。

B. トーク履歴を定期的に削除する

自分でトーク履歴をこまめに消しておく方法です。

履歴が残らないため、死後に家族に見られる心配がなくなります。

C. 終活アプリ「ロックの向こう」を利用する

当社が提供する「ロックの向こう」では、銀行やカード会社など資産関連のパスワードを安全に保管し、死後に家族へ渡せます。

これにより、スマホを開けなくても家族は必要な情報を引き継ぐことが可能です。

また、オペレーターが家族をサポートしながら大切な情報をお渡しすることもできます。

まとめ

LINEは「一身専属性」で、基本的に本人以外には引き継がれません。

そのため、パスワードを伝えなければ死後に見られることはありません。

しかしその分、家族が資産や契約の手続きに困り、場合によっては大きな負担を背負うことになります。

「死後にLINEを見られたくない」という気持ちと、「家族に迷惑をかけたくない」という思い。

その両方を踏まえて、自分に合った方法を準備しておくことが大切です。