50代の終活入門:エンディングノートを書く前にやっておくべきこと

エンディングノートは、自分の希望を伝えると同時に、家族の負担を軽くすることができます。
また、書くことで自分自身を振り返るきっかけとなり、万が一への備えから安心感も得られます。
しかし、それはすべての人に当てはまるでしょうか?
エンディングノートには、キャッシュカードなどの金融情報、葬儀やお墓に関する希望、生前に伝えられなかった自分史まで、さまざまなことを書けます。
その一方で「これを生前に家族に見られたくない」と感じる人もいるでしょう。
特に50代は重要性を身近に感じながらも、エンディングノートの共有には抵抗感のある年代です。
この記事では、どうして50代が、エンディングノートを身近に感じながらも抵抗感を持つのか、その理由と対策を解説します。
50代にとってのエンディングノートとは?
50歳になると、親の介護を身近に感じるようになってきます。
老いた親の姿に驚きながら、一方では自分自身を重ねるようになり、死を今までよりも身近に感じるようになります。
エンディングノートを家族のために用意しておかなくてはいけないという義務感にかられます。

しかし、50代になって以前のように動けなくなっても、気持ちの上ではなにひとつ変わりません。
友達とのおしゃべりやチャットは時間を忘れるぐらいに楽しいし、好きなだったタレントが急に嫌いになるわけでもありません。
50代は節目と言いますが、気持ちの上ではなんら変わることはないのです。
そのため、家族であってもプライバシーに踏み込まれたくない人は、その気持ちも変わりません。
SNSの履歴や銀行口座の情報も同じで、家族であっても見られたくないのです。
50代は、老いるという現実の中で、死後のことを考えなくてはいけない必要性と、「まだまだ昔のまま」というプライベートを守る自分との間を揺れ動く年代なのです。
その結果、もしも家族に見られてもいいようにと、大切な情報を書かないエンディングノートが出来上がってしまうかもしれません。
急死した場合も、家族が困らないようにするのがエンディングノートの本来の役目です。
家族に伝えるべき重要な情報が記載されていないノートは、もはやエンディングノートとは呼べません。
エンディングノートの保管場所という悩み
秘密にしておきたい気持ちをおさえて、家族のために重要な情報を記載したエンディングノートができました。
ですが、次にあらわれる問題は、どこにエンディングノートの保管するかです。
頑張って共有する覚悟をしたといえ、スマホのパスワードなどは生前に見られたくないものです。
生前に見られたくない場合、簡単に見つけられるところでは、いつみられるかと不安で仕方ありません。
なかなか見つからないところに隠したいところです。
といって、見つからない場所では、せっかく書いたエンディングノートを、死後、家族に見てもらえません。
「安心」と「確実な引き渡し」は、しばしば両立しにくいのです。
ここで、生前にエンディングノートを見られないで、死後に見てもらう方法をご紹介します。
対策1:2冊のエンディングノートを使い分ける
生前に見られたくない内容がある場合、2冊に分ける方法があります。
- 1冊目:家族に保管場所を伝え、葬儀やお墓など死後すぐに必要な情報だけを書く。
- 2冊目:見つかりにくい場所に隠し、生前に見られたくない内容を書く。
隠し場所は伝えなくても「もう1冊ある」ことだけは知らせておくのがポイント。
ただし、2冊目は隠し場所によって発見の時期が大きく変わり、見つからないままになる可能性もあります。
対策2:終活アプリを利用する
保管場所や発見のタイミングを運に任せたくない方には、死後に大事な情報をわたせる終活アプリを利用するのもひとつです。
生前に家族に知られることなく、死後、大事な情報を確実に家族にわたせます。
まとめ
50代は、「まだまだ自分の世界は大切」と思いがらも、親の介護から「そろそろ考えておいたほうがいい」と考え始める時期です。
しかし、エンディングノートを書くことの大切さはわかっていながらも、共有することに抵抗もあります。
それらの相反した思いは、二冊のエンディングノートや終活アプリを利用することで、解決することができます。
あなたにあった方法を選び、50代からの終活を未来へつないでいきましょう。



